HiHiの雑多な本棚

本の感想と、お金の話。

辻村深月『かがみの孤城』(ポプラ社)

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうど“こころ”と似た境遇の7人が集められていた――

表紙から、きちんとした文学作品で堅めのファンタジーかと思ったのですが、実際はかなりライトノベル寄りで読みやすかったです。適度にギャグも入ってますし、これなら中高生でも読み切れるのではないでしょうか。
こころちゃん可愛い(笑)男の子の趣味に理解あるし、普通にモテそうなんですがw

鍵の奪い合いとかバトルロイヤルっぽい殺伐とした話かと思ったけど全然違いました。
孤城というより、孤独な子供たちが寄り添う場所といい風に見えて、安心して読めますね。
不穏な雰囲気を忘れそうになるけど、それは伏線として残っていて、希望と絶望を繰り返して展開するのは見事だったです。

終盤は状況がかなり悪くなってかなりハラハラするのですが、ラストは大団円。
伏線の張り方と回収が素晴らしく、読後感も良かったです。
色んな人に安心して薦められる一作。