HiHiの雑多な本棚

本の感想と、お金の話。

オススメ作品

ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』(岩波文庫)

まずはこの本の出会いから書くのがふさわしいように思います。“こぐちさん”という読書好きの少女から紹介されたのですが、「ハードカバーで読んでください」と強く言われたこともあって、電子書籍ではなく、図書館から借りることにしました。申請書を書いて…

辻村深月『かがみの孤城』(ポプラ社)

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうど“こころ”と似た境遇の7人が集められていた―― 表紙から、きちんとした文学作…

はしゃ『さめない街の喫茶店』(イースト・プレス)

ある日突然、眠りから目覚めることができなくなった主人公のスズメは、「ルテティア」という“さめない街”に迷い込み、喫茶店「キャトル」で働くことになります。不思議な街ルテティアでの生活と、喫茶店キャトルを中心に謎に近づくストーリーになります。 ………

フランシス・ハーディング『カッコーの歌』(東京創元社)

主人公の少女トリスが、池に落ちて記憶を失ったところから物語は始まります。「あと7日」意識を取り戻したとき、耳元で聞こえる声。妹のペンは主人公を偽物と言い、記憶を探るために開いた日記帳のページは破り取られ、異常な食欲が主人公を襲います。 カッ…

宮澤伊織『裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト』(ハヤカワ文庫JA)

表題の他、三篇のお話。シュールだった1巻と比べて、空魚と鳥子の二人が裏世界探索に慣れたせいか、どことなくコミカルな展開の話が多いような気がします。「猫の忍者に襲われる」はタイトルから笑えますねw「箱の中の小鳥」はシリアスにしつつ設定が一度…

米澤穂信『王とサーカス』(東京創元社)

2001年に実際に起きた、ネパール王宮での殺人事件を取り込んで書かれたミステリ。この事件、未だに犯人が分かっていないらしく、真相や犯人をフィクションで創作する内容だと勝手に思い込んでいたのですが全然違っていました(>< 日本人にとっては、治安の…

川喜田 敬『そうだ、途上国に住もう!』(個人出版)

大手企業で3年間人事で働いた後、途上国であるネパールに移住した著者の体験記。第1章では「途上国に住もう」と言っている理由を、第2章ではその手段として青年海外協力隊について、第3章では実際に青年海外協力隊で2年間過ごした著者の体験を、第4章…

円居 挽『その絆は対角線』(創元推理文庫)

『日曜は憧れの国』の続巻です。無料体験チケットを全て使い切った4人ですが、カルチャーセンターには引き続き通うことにします。それぞれが興味のある講座を受講するのでタイミングも教室もバラバラにはなるものの、完全に分かれてしまうことにはならない……

円居 挽『日曜は憧れの国』(創元推理文庫)

カルチャーセンターの料理教室で同じ班になった4人の中学二年生の女の子、千鶴,桃,真紀,公子。性格も外見もバラバラな彼女たちは教室で起きた盗難事件を推理したことがきっかけで仲良くなります。無料体験チケットの残りを同じ講座で使うことにした4人…

FunnyCreative『アーマードール・アライブ4 ~いつか終わりゆく安息の日々~』(ボイジャー・プレス)

人工知能を操り人類を殺戮する謎の電子汚染現象【ゲーティア】の出現によって、滅亡の道を歩む世界。残された人類は自我を持つ人型兵器【アーマードール】を開発し、心無き機械たちとの戦いを繰り広げていた。学長の計らいで、海沿いの温泉旅館へ修学旅行に…

パウロ・コエーリョ/山川紘矢『アルケミスト 夢を旅した少年』(角川文庫)

世界中を旅することを望む主人公の少年サンチャゴは、羊飼いになる道を選びます。羊の扱いを覚え、安定した収入を得られるようになるのですが、砂漠を越えたピラミッドに自分の宝が待っているという夢を繰り返し見ます。サンチャゴはその夢を信じ、羊を全部…

宮澤伊織『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』(ハヤカワ文庫JA)

主人公の空魚(そらを)は、この世界とは別の世界への入り口を発見し何回か足を踏み入れます。“裏側”と彼女が名付けたその世界には、自分以外の人間や動物はいない……と思っていたのですが、白くクネクネする奇妙な生物(?)と遭遇したとたんに全身に力が入…

Funny Creative『アーマードール・アライブ 3 ~非情の人形は悪魔の虜~』(ボイジャー・プレス)

公式のあらすじがネタバレになっているように思いますので、ここでは簡単に紹介します。サラの秘密は概ね明らかになったものの、その秘密そのものが問題になる中、強大な敵からの襲撃を受けます。状況が混沌とする中で、解決する問題もあり新たに発生する問…

幾谷正/Funny Creative『アーマードール・アライブ2』(ボイジャー・プレス)

かつての愛機との死闘を乗り越え、訓練学校で穏やかな日常を送る【愛生文楽】の前に表われた謎の少女。彼女は乗り込んだ操縦士の命を奪うと恐れられるいわくつきの機体、色欲の〈アスモデウス〉の人形知能サラだった。操縦士達が怪死する秘密を突き止めるた…

ロバート・F・ヤング/伊藤典夫『たんぽぽ娘』(奇想コレクション)

ロバート・F・ヤングの作品の中から、ボーイミーツガールを中心に選んだ短編集です。 ジャンルとしてはSFになるようですが、ファンタジーに近いと感じました。驚いたのは、1960年代~1980年代にアメリカ人の作者によって書かれた作品にもかかわらず、2010…

幾谷正/Funny Creative『アーマードール・アライブ1』(BWインディーズ)

幾谷正/Funny Creative『アーマードール・アライブ1』(BWインディーズ)の感想です。

水月さなぎ『ちび龍といっしょっ!4』(いるかネットブックス)

エリスと共に温泉でゆっくりするために温泉街にやって来たアッティカですが、やっぱりトラブルに巻き込まれることになります。 火龍の「リオ」が持ってきた依頼はとてもやっかいなものでした。アッティカは必死で解決方法を探るものの、解決の目処が立たなく…

水月さなぎ『ちび龍といっしょっ!3』(いるかネットブックス)

前の巻までのほのぼの日常から打って変わって、シリアスな事件を解決するストーリーです。 ほんの少しミステリ風味ですが、謎解きがてんで苦手な私でも分かってしまうほどの謎なので、分かる人も多いでしょう。 エリシエルの影響力や凄さが少しずつ明らかに…

水月さなぎ『ちび龍といっしょっ!2』(いるかネットブックス)

前半はほのぼのとした日常なのですが、後半はエリスが誘拐されてしまって……と少しショッキングな展開。その落差に驚くと共に、エリスの非人間性が浮き彫りになる感じです。 しかし、作者は本当に悪人に対して容赦ないですねw アッティカの影がちょっと薄い…

水月さなぎ『ちび龍といっしょっ!1』(いるかネットブックス)

薬師のアッティカは、水龍の痕跡を探して山の中を彷徨っていると、偶然にも本物の水龍に遭遇します。水龍の卵を盗賊(?)から取り戻し、卵から孵る瞬間に立ち会うことになるのですが、生まれた子供に懐かれることに……。 エリスちゃん可愛いよエリスちゃん!…

水月さなぎ『ラストテイル・オンライン2』(BWインディーズ)

1巻とほぼ変わらない感じで展開。最終話でちょっとシリアスな展開ありますが、ラストということもなくこの巻は終了です。筆者いわく、これで一区切りとのこと。 ギャグとエロは変わらず面白いのですが、魔王様がAIであるという設定があまり活かされていない…

水月さなぎ『ラストテイル・オンライン1』(BWインディーズ)

book walkerのサイトで目次を見て吹き出して、ついつい購入w よくあるライトノベルっぽい文体は苦手なんですが、100円ぐらいであれば許容してしまいます。 オンラインゲームで「魔王の卵」というレアアイテムを入手した主人公。友人と相談しながら魔王を…

水生大海『ランチ合コン探偵』(実業之日本社)

タイトルそのまんまの内容です。仕事が出来てルックスも良いけど彼氏がいない麗子と、地味で一風変わっていて鋭い洞察力を持つゆいかの二人が、ランチタイムで合コンする男性から聞いた謎を解決する内容。ゆいかが探偵役ですね。 正直、自分には合わないだろ…

水生大海『夢玄館へようこそ』(双葉文庫)

古いアパートを改築して店舗(作中ではショッピングモールと呼んでいるがとてもそうは見えない)としている「夢玄館」。そこに住む個性的なショップオーナー達と、管理人代理の主人公が起こす騒動を描いたミステリ。 ミステリなので謎解き要素が当然あるわけ…

佐藤明機『パラダイスバード』(バンチコミックス)

古びたビルの中の寂れたショッピングモールに、主人公の女性が引っ越してくるところから始まります。祖父の古書店を継いで経営を再開するのですが、周りは変人ばかり、更にはどんどん非日常に寝食されていきます。 内容的には日常が淡々と続くだけなのですが…