HiHiの雑多な本棚

本の感想と、お金の話。

小説

ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』(岩波文庫)

まずはこの本の出会いから書くのがふさわしいように思います。“こぐちさん”という読書好きの少女から紹介されたのですが、「ハードカバーで読んでください」と強く言われたこともあって、電子書籍ではなく、図書館から借りることにしました。申請書を書いて…

高倉かな『約束の花が咲くとき、僕がきみの光になる』(スターツ出版)

親友を傷つけてしまったある出来事をきっかけに声が出せなくなってしまった療養のために祖母の家に来ていた。そこで傷ついた一匹の犬を保護し、一人の青年とともに看病することに。その中で自分の心と向き合い、少しずつ回復していくのだが……。 総じて傷つい…

田辺聖子『孤独な夜のココア』(新潮文庫)

恋は人生の熱いエッセンス。この本は、暗い孤独な淋しい夜に、あなたの凍えた心を温める熱いココア―― ココアといえば甘ったるいイメージなのですが……この本はどちらかと言うとホットビターチョコレートという感じに思えました。甘々な恋物語ではなく、起承転…

トネ・コーケン『スーパーカブ1~3』(角川スニーカー文庫)

山梨の高校に通う女の子、小熊。両親も友達も趣味もない、何もない日々を送る彼女は、中古のスーパーカブを手に入れます。 まぁ一言で言うと、主人公の女子高生が趣味に目覚めていく物語、といったところでしょうか。趣味との付き合い方とか、趣味を趣味で終…

荻原規子『RDG レッドデータガール6 星降る夜に願うこと』(カドカワ銀のさじシリーズ)

ネタバレになりそうなので、あらすじは割愛です。最終巻ということで、通しての感想を。 それぞれの巻できちんと起承転結があり、引き込まれるように一気に読んでしまいました。文章や展開が丁寧で分かりやすく、特に低年齢の方には読みやすいだろうと思いま…

ロバート・F・ヤング/伊藤典夫『たんぽぽ娘』(奇想コレクション)

ロバート・F・ヤングの作品の中から、ボーイミーツガールを中心に選んだ短編集です。 ジャンルとしてはSFになるようですが、ファンタジーに近いと感じました。驚いたのは、1960年代~1980年代にアメリカ人の作者によって書かれた作品にもかかわらず、2010…

荻原規子『RDG レッドデータガール4 世界遺産の少女』(カドカワ銀のさじシリーズ)

生徒会執行部の一員として学園祭の準備に追われる泉水子は、衣装の着付け講習会でモデルを務めることになる。講習会は何事も無く終わったのだが、直後に姫神が憑依。元に戻そうと懸命に対応する深行に、衝撃の事実を語るのだった。 遂に姫神が顕現! これま…

荻原規子『RDG レッドデータガール3 夏休みの過ごしかた』(カドカワ銀のさじシリーズ)

学園祭の準備企画で、夏休みに泉水子たちは長野県の戸隠で合宿をすることになります。多少ギクシャクしつつも和やかに過ごしていたのですが、ルームメイトの真響(まゆら)の弟である真夏(まなつ)に、愛馬が危篤との情報が入ってから事態は急変。泉水子た…

荻原規子『RDG レッドデータガール2 はじめてのお化粧』(カドカワ銀のさじシリーズ)

結局、泉水子も深行も鳳城学園に入学し再開するのですが、特にお互いが親密になるというわけでもありません。学園の寮に入った泉水子はルームメイトに気に入られ、少しずつですが交友関係が広がります。しかし、彼女がクラスメートの正体を見破ったことから…

荻原規子『RDG レッドデータガール1 はじめてのお使い』(カドカワ銀のさじシリーズ)

山奥の隔絶された神社で生まれ育った泉水子(いずみこ)は、中学三年生になった春、突然現れた父の友人に突然東京の高校への進学を勧められひどく困惑してしまいます。しかも、彼の息子を下僕としてあてがうと告げられ、なし崩しに一つ屋根の下で住むことに…