HiHiの雑多な本棚

本の感想と、お金の話。

感想

ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』(岩波文庫)

まずはこの本の出会いから書くのがふさわしいように思います。“こぐちさん”という読書好きの少女から紹介されたのですが、「ハードカバーで読んでください」と強く言われたこともあって、電子書籍ではなく、図書館から借りることにしました。申請書を書いて…

高倉かな『約束の花が咲くとき、僕がきみの光になる』(スターツ出版)

親友を傷つけてしまったある出来事をきっかけに声が出せなくなってしまった療養のために祖母の家に来ていた。そこで傷ついた一匹の犬を保護し、一人の青年とともに看病することに。その中で自分の心と向き合い、少しずつ回復していくのだが……。 総じて傷つい…

田辺聖子『孤独な夜のココア』(新潮文庫)

恋は人生の熱いエッセンス。この本は、暗い孤独な淋しい夜に、あなたの凍えた心を温める熱いココア―― ココアといえば甘ったるいイメージなのですが……この本はどちらかと言うとホットビターチョコレートという感じに思えました。甘々な恋物語ではなく、起承転…

トネ・コーケン『スーパーカブ1~3』(角川スニーカー文庫)

山梨の高校に通う女の子、小熊。両親も友達も趣味もない、何もない日々を送る彼女は、中古のスーパーカブを手に入れます。 まぁ一言で言うと、主人公の女子高生が趣味に目覚めていく物語、といったところでしょうか。趣味との付き合い方とか、趣味を趣味で終…

パウロ・コエーリョ/山川紘矢『アルケミスト 夢を旅した少年』(角川文庫)

世界中を旅することを望む主人公の少年サンチャゴは、羊飼いになる道を選びます。羊の扱いを覚え、安定した収入を得られるようになるのですが、砂漠を越えたピラミッドに自分の宝が待っているという夢を繰り返し見ます。サンチャゴはその夢を信じ、羊を全部…

宮澤伊織『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』(ハヤカワ文庫JA)

主人公の空魚(そらを)は、この世界とは別の世界への入り口を発見し何回か足を踏み入れます。“裏側”と彼女が名付けたその世界には、自分以外の人間や動物はいない……と思っていたのですが、白くクネクネする奇妙な生物(?)と遭遇したとたんに全身に力が入…

マイク・マクマナス/ヒューイ陽子『ソース~あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。』(VOICE)

「人生で最も重要なのは、自分がやりたいこと――ワクワクすることを追求することだ」 本書の内容を一行で要約するとこれになるかと思います。他の自己啓発本にも似たようなことは大抵書かれていますが、本書の特徴的なのは、ワクワクすること“全て”に同じ量の…

水生大海『だからあなたは殺される』(光文社)

両親が離婚し父親と暮らしていた主人公は、刑事となり独身寮に入ります。母親の自殺をきっかけに高校生の妹と同居することになり、二人暮らしが落ち着いた頃に女子高生モデルの殺人事件が発生。主人公は刑事として、妹は兄を助けるために事件を調べます。次…

水野敬也『夢を叶えるゾウ』(飛鳥新社)

冴えないサラリーマンの主人公の部屋に、ある朝「ガネーシャ」と名乗る不思議な生き物が現れます。自らを神様と主張するガネーシャのコーチを受け、主人公は自らの人生を変える課題に取り組むことになるのでした。 ……という物語仕立ての自己啓発本です。主人…

Funny Creative『アーマードール・アライブ 3 ~非情の人形は悪魔の虜~』(ボイジャー・プレス)

公式のあらすじがネタバレになっているように思いますので、ここでは簡単に紹介します。サラの秘密は概ね明らかになったものの、その秘密そのものが問題になる中、強大な敵からの襲撃を受けます。状況が混沌とする中で、解決する問題もあり新たに発生する問…

幾谷正/Funny Creative『アーマードール・アライブ2』(ボイジャー・プレス)

かつての愛機との死闘を乗り越え、訓練学校で穏やかな日常を送る【愛生文楽】の前に表われた謎の少女。彼女は乗り込んだ操縦士の命を奪うと恐れられるいわくつきの機体、色欲の〈アスモデウス〉の人形知能サラだった。操縦士達が怪死する秘密を突き止めるた…

Koi『ご注文はうさぎですか?6』(まんがタイムきららコミックス)

登場するキャラの成長や変化が描かれた巻だと思いました。特にチノちゃんが大きく変わったと思います。あ、メグちゃんは身体の成長が(笑)。 ジャンルの都合で元々皆仲がよいのですが、どんどん絆が深まっていますね。高校生だったり中学生だったりなので、…

佐藤明機『パラダイスバード・クロニクル』(駒草出版)

『パラダイスバード』の続編です。ゲートを開いてからおよそ100年後の「あちら側」の世界が舞台。公式サイトには「時代は飛ぶけどいろいろないろいろを前作から引き継いでおります。 」とありますが、前作の登場人物はほとんど出ません。続編なので設定が…

荻原規子『RDG レッドデータガール6 星降る夜に願うこと』(カドカワ銀のさじシリーズ)

ネタバレになりそうなので、あらすじは割愛です。最終巻ということで、通しての感想を。 それぞれの巻できちんと起承転結があり、引き込まれるように一気に読んでしまいました。文章や展開が丁寧で分かりやすく、特に低年齢の方には読みやすいだろうと思いま…

米澤穂信『リカーシブル』(新潮社)

主人公の少女ハルカと弟のサトルは、母の生まれ故郷の町に引っ越すことになります。この町に住むのは初めてのはずなのに、弟のサトルが「この場面は見たことがある」「こうなることは知っていた」と繰り返します。他にも奇妙な出来事が立て続けに起き、調べ…

岸見一郎/古賀史健『幸せになる勇気』(ダイヤモンド社)

『嫌われる勇気』の続編。物語的には続きですが、内容的には補完するという感じです。前作の引用が多く、読んでないとついていけないでしょう。議論は更に過激になり、青年の言葉遣いも荒いです。対する哲人の返しも厳しいです。アドラー心理学で言う「幸福…

ロバート・F・ヤング/伊藤典夫『たんぽぽ娘』(奇想コレクション)

ロバート・F・ヤングの作品の中から、ボーイミーツガールを中心に選んだ短編集です。 ジャンルとしてはSFになるようですが、ファンタジーに近いと感じました。驚いたのは、1960年代~1980年代にアメリカ人の作者によって書かれた作品にもかかわらず、2010…

荻原規子『RDG レッドデータガール4 世界遺産の少女』(カドカワ銀のさじシリーズ)

生徒会執行部の一員として学園祭の準備に追われる泉水子は、衣装の着付け講習会でモデルを務めることになる。講習会は何事も無く終わったのだが、直後に姫神が憑依。元に戻そうと懸命に対応する深行に、衝撃の事実を語るのだった。 遂に姫神が顕現! これま…

荻原規子『RDG レッドデータガール3 夏休みの過ごしかた』(カドカワ銀のさじシリーズ)

学園祭の準備企画で、夏休みに泉水子たちは長野県の戸隠で合宿をすることになります。多少ギクシャクしつつも和やかに過ごしていたのですが、ルームメイトの真響(まゆら)の弟である真夏(まなつ)に、愛馬が危篤との情報が入ってから事態は急変。泉水子た…

荻原規子『RDG レッドデータガール2 はじめてのお化粧』(カドカワ銀のさじシリーズ)

結局、泉水子も深行も鳳城学園に入学し再開するのですが、特にお互いが親密になるというわけでもありません。学園の寮に入った泉水子はルームメイトに気に入られ、少しずつですが交友関係が広がります。しかし、彼女がクラスメートの正体を見破ったことから…

荻原規子『RDG レッドデータガール1 はじめてのお使い』(カドカワ銀のさじシリーズ)

山奥の隔絶された神社で生まれ育った泉水子(いずみこ)は、中学三年生になった春、突然現れた父の友人に突然東京の高校への進学を勧められひどく困惑してしまいます。しかも、彼の息子を下僕としてあてがうと告げられ、なし崩しに一つ屋根の下で住むことに…

庵田定夏『アオイハルノスベテ』(ファミ通文庫)

庵田定夏『アオイハルノスベテ』(ファミ通文庫) の感想です。

中田永一ほか『十年交差点』(新潮文庫NEX)

中田永一ほか『十年交差点』(新潮文庫NEX) の感想です。アンソロジーでどれも楽しむことができました。

幾谷正/Funny Creative『アーマードール・アライブ1』(BWインディーズ)

幾谷正/Funny Creative『アーマードール・アライブ1』(BWインディーズ)の感想です。

泉鳴巳『琥珀色のレミニセンス』NI-BOOKS

受験戦争を乗り越えて晴れた大学生となった主人公。しかし、大学に入ってもこれといってやりたいこともなく、サークルにも入らずアルバイトもせず、暇を持て余していました。ゴールデンウィークにも特に予定が無かったので、何をしようかと考えながら自転車…

三月『ひなこのーと3』(MFCキューンシリーズ)

この巻は水着回でしょうかw 変わらず肉感的で良いと思いますww ……えぇと、変わらぬ安定の日常系ですね。海に行くエピソードの他にも、ゆあちゃんの家族が出てきたりして面白いです。 しかし、私が一番印象に残ったのは劇場に演劇を観に行くお話でした。 …

嵩夜あや『少女義眼工学士・青のベルベット』(BWインディーズ)

女子高に入学した主人公。数少ない友人の一人に一緒に帰る約束をすっぽかされてしまいます。 あてもなく校内を彷徨っていると、不思議な建物を見つけます。そして、同じく不思議な女生徒に声をかけられるのでした。 漂うミステリアスな雰囲気が良いですね。…

水月さなぎ『ちび龍といっしょっ!4』(いるかネットブックス)

エリスと共に温泉でゆっくりするために温泉街にやって来たアッティカですが、やっぱりトラブルに巻き込まれることになります。 火龍の「リオ」が持ってきた依頼はとてもやっかいなものでした。アッティカは必死で解決方法を探るものの、解決の目処が立たなく…

水月さなぎ『ちび龍といっしょっ!3』(いるかネットブックス)

前の巻までのほのぼの日常から打って変わって、シリアスな事件を解決するストーリーです。 ほんの少しミステリ風味ですが、謎解きがてんで苦手な私でも分かってしまうほどの謎なので、分かる人も多いでしょう。 エリシエルの影響力や凄さが少しずつ明らかに…

水月さなぎ『ちび龍といっしょっ!2』(いるかネットブックス)

前半はほのぼのとした日常なのですが、後半はエリスが誘拐されてしまって……と少しショッキングな展開。その落差に驚くと共に、エリスの非人間性が浮き彫りになる感じです。 しかし、作者は本当に悪人に対して容赦ないですねw アッティカの影がちょっと薄い…