HiHiの雑多な本棚

本の感想と、お金の話。

水生大海『夢玄館へようこそ』(双葉文庫)

古いアパートを改築して店舗(作中ではショッピングモールと呼んでいるがとてもそうは見えない)としている「夢玄館」。そこに住む個性的なショップオーナー達と、管理人代理の主人公が起こす騒動を描いたミステリ。

ミステリなので謎解き要素が当然あるわけなのですが、それを抜きにしても面白かったです。住人に揉まれながらも徐々に成長していく主人公が笑えるのと、雰囲気が好きですね。 主人公は結局は管理人になるのだろう……と思っていたらちょっとしたどんでん返し。でも、ラストもいい感じでした。

表紙はちょっとシュールですが、血生臭い事件も無いため気軽に読めます。 繰り返し読みたくなる作品ですね。 主人公をはじめ、登場人物が魅力的というのも、このジャンルには珍しいんじゃないかと思います。

この人の作品の中では多分一番好きな作品になるかと思います。