HiHiの雑多な本棚

本の感想と、お金の話。

水野敬也『夢を叶えるゾウ』(飛鳥新社)

冴えないサラリーマンの主人公の部屋に、ある朝「ガネーシャ」と名乗る不思議な生き物が現れます。自らを神様と主張するガネーシャのコーチを受け、主人公は自らの人生を変える課題に取り組むことになるのでした。

……という物語仕立ての自己啓発本です。主人公と一緒に、読者も毎日一つの課題に取り組むよう指示されます。
課題は難しいものではなく、一日で実行できる……とありますが、私にとっては難易度が高すぎるものがいくつかあり、クリアするのに数日かかることがありました。
この手の本は一度ざっと読んで、必要に応じて繰り返し読み込むというやり方が一般的なようですが、本書に限っては一気に読むのはオススメ出来ません。

課題の内容ですが、基本的には過去に成功した人たちがやっていたことや残していった名言等を参考にしていると思われます。
集約すると「他人を喜ばせた分しかお金は手に入らない」「自分のやりたいこと、夢、才能あることを仕事にしないと成功は覚束ない」になるのではないでしょうか。

本書の課題を全てこなしても成功の入り口に立てるだけで、後は自分で考えていくことになります(物語としても、ガネーシャは主人公を途中までしかサポートしません)。
しかし、実行したことと経験したことのみが夢を叶える歩みだと主張されると、納得するしかないです。

「人から言われた仕事をしさえすれば、決められたお金が手に入る」という考えを少しずつ変えていくしか、夢を叶える方法はないんだなぁ……というのが、読み終わった後の感想でした。
少しずつでも、夢や、やりたいこと、成功に近づきたい人にオススメです。