HiHiの雑多な本棚

本の感想と、お金の話。

荻原規子『RDG レッドデータガール1 はじめてのお使い』(カドカワ銀のさじシリーズ)

山奥の隔絶された神社で生まれ育った泉水子(いずみこ)は、中学三年生になった春、突然現れた父の友人に突然東京の高校への進学を勧められひどく困惑してしまいます。しかも、彼の息子を下僕としてあてがうと告げられ、なし崩しに一つ屋根の下で住むことに。事態を打開しようと動き始めた泉水子は、自分の生い立ちに関する秘密を知ることになるのでした。

ゆっくりした話の展開で、主人公の泉水子が鬱々としている上に自信が無さ過ぎて読んでいてちょっとつらかったのですが、起承転結がはっきりしていて最後の章からは引き込まれるように読むことができました。ネタバレになるので詳しく書かないですが、“はじめてのお使い”というサブタイトルが非常に上手いです。

引っ込み思案の泉水子ですが、時折はっきりと物を言いますし凄く決断力があるし行動力もあるなぁと思います。まぁやっぱり只者ではないわけですが。

最初は「丁寧に紡ぐだけの退屈な物語か……?」と思ったのですが、きちんとメリハリがあって急展開もあり面白かったです。2巻も期待できます。