HiHiの雑多な本棚

本の感想と、お金の話。

川村元気『億男』(マガジンハウス)

しがない図書館司書の一男は、失踪した弟の3000万円の借金を肩代わりしていました。ふとしたきっかけで手に入れた宝くじが当選。3億円を手に入れます。最初は浮かれていたものの、ネットの情報を閲覧するうちに不安に襲われ、大富豪の友人を15年ぶりに訪ねるのでした。

多額のお金が動く展開がセンセーショナルなので物語としては面白いのですが、自己啓発としてはイマイチかなと。登場人物たちは皆お金に振り回される人生を送っていて、じゃあどうするんだ?という答えはほとんど教えてくれません(答えは人それぞれという結論)。
この本を読んだほとんどの人の感想は「大金を手にして幸せになれるとは限らないということは分かったけど、それでもお金が欲しい(笑)」になるのではないかと思います。

この作品の一番の評価できる部分は、人気があり映画にもなった作品の内容がこの程度なら、現実のほとんど人たちがお金に振り回される人生を送っていると再認識できることぐらいですかね。
他の本と併読して考えるならともかく、この本だけでは相当物足りないのではないでしょうか。

このブログのテーマが「本の感想と、お金の話」なので、いくつかの本を紹介しつつ、お金とどう付き合うかという命題に対する私なりの具体的な答えを出していくつもりです。